10年後の仕事図鑑 感想【紹介記事】
本の背景&概要
10年前と比べて、我々の世間は昔よりずっと狭くなった。それを表すかのように10年前ではニュースや新聞などのメディアでしか知れなかった海外の最新情報や、その国に行かないと味わえない風景や文化なども簡単に調べて感じることが可能な時代となっている。
また、それを可能にしたのは間違いなくインターネットである。だが同時にインターネットは我々の価値観や常識までも変革させているのである。
それを象徴しているのが、YouTuberやインスタグラマーといった会社の歯車として社会に貢献するのではなく、個人の価値を高めることによって社会に貢献している人々である。
この「10年後の仕事図鑑」ではそんな既存の常識が次々と打ち破られていく激動の時代に生きる我々に改めてこれからの人生を考え直すきっかけを与えてくれる一冊である。
本の中での注目ポイントとそれに対する感想
・”AI”はいいヤツ?悪いヤツ?
皆さんがAIと聞いて恐らく思い浮かべるのは、ターミネーターなどといった私たちに害を与えるものだろうし、私の周りやネットメディアでもAIに奪われる仕事一覧や、AIは将来暴走する!などといったトピックを多く見かける。
何故このようにAIが恐れられているのかというと、よくわからないというのが一番大きな理由と言えるだろう。例えばだが、カレー味のアイスバーがコンビニで売っていても、それをぱっと見で買い物かごに入れる人はきっと少ない。
というのも人間誰しも分からないものを見ると、無意識の中で現在普通とされているもの、無難なものと比較してしまうため、(普通のものと比べて)まずかったらどうしようだとか、120円の損をするかもと考えてしまい、その結果買い物かごに入れないという選択を選ぶ人が多くなるのである。
これと同じ理由で、”AI”という技術は現在我々の社会にとって、どちらかというと害のあるものと、捉えられがちである。
しかしどうだろう。本当にAIが我々の仕事を奪うことは悪いことなのだろうか?
確かにAIに奪われる仕事に従事している人にとっては、収入減がなくなるから悪いといえる。だが、AIが仕事を奪うということは裏を返せば、AIが代わりに仕事をしてくれるということである。つまり我々の自由な時間が増えるということなのだ。
また、”AI”は使えば使うほど、ディープラーニングによって賢くなっていき、担うタスクを最効率で回してくれることになる。つまり、やればやるほど仕事を完遂するコストが小さくなっていくのだ。また、AIは人間とは違い、些細なミスや、ど忘れといったヒューマンエラーを起こすことがないため、ずっと最効率のままである。
つまりAIが我々の仕事を代替していくほど、我々の生活コストは下がっていき、最終的にはタダで暮らせる時代が来るかもしれないのだ。
つまり、”AI”が我々の社会にもたらすものは、自由な社会であるため、AIは我々にとっては福音そのものといえる。
・ワークアズライフ(Work as life)という考え方
高度経済成長期から今現在に至るまで、我々の社会での一般常識は毎朝決まった時間に働き、真面目に割り振られたタスクをこなすというものであり、それによってお金を得ることこそ、正しいこととされている。確かに高度に発展した現代社会を支えるためにも、上記の手段でお金を稼ぐひとは一定数必要である。
しかし一方、Twitter、YouTube、Twitch、Instagramといった一般的に仕事と呼べないものでお金を稼いでいる人がいるのも事実であり、恐らくだが稼いでいる額は平均的なサラリーマンと比べるとかなり大きいものである。
これらの生活と混同した仕事、つまりワークアズライフを実践している人たちはこれから来る新時代に即した仕事をしていると言える。
何故なら現在の社会で通用している仕事のほとんどは一部を除いて、AIに代替されてしまうからだ。
そしてどうして仕事をしていない彼らが高収入であるかというと、理由はとても単純である。そう、やっている人がとても少ないからである。YouTubeも大手が増えて厳しくなった!そんなに金を稼ぐのは簡単じゃない!という反論もあるだろうが、そもそも
YouTubeをやる!という選択肢をとる人の数が少ない。
何故かって?
皆社会に出て真面目に働かないと生きていけないと、本気で信じているからだ。
AIの項でも説明したが、人間は未知のものに遭遇すると、現在従事しているものと比較し、勝手にリスクが高い!と認識して避けてしまうからである。
確かに安定した収入源をなくすような活動に従事することは危険に見えるだろう。
しかしそれは裏を返すと、リスクをとらないというリスクを選択してしまっているのである。
そして話を戻すが、現在飛びぬけた高収入を得ている人の殆どが、あらゆる形でワークアズライフというリスクをとる選択をした人たちなのだ。
確かに他人と違うことをやる、ということは何かしら飛びぬけたものがないと認められないため、収入につながるとは限らない。
しかし、現時点でも成功している人は多くいる。しかも現在の仕事はいずれAIに掻っ攫われる可能性が高い。
だから今からでも何かしらのワークアズライフというリスクをとっていいのではないだろうか。
本の評価(5段階評価)
読みやすさ:5
おすすめ度:5
買った方がいい度:85%
得られるもの:今後の仕事を決めていく上での知識、ワークアズライフという考え方
さいごに
文字も大きめだし、難しい表現や知識などもさっと理解できる形で書かれている良書。
ホリエモンや落合陽一といったちょっと敬遠されがちな人のレッテルも払しょくできるかも。
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